トランプ大統領、中距離核戦力全廃条約から離脱を表明

 トランプ大統領(アメリカ)は20日、1987年にアメリカと旧ソ連の間で結ばれた中距離核戦力全廃条約から離脱すると表明しました。

 中距離核戦力全廃条約は、当時のレーガン大統領とソヴィエト連邦が締結した条約で、地上発射型の弾道ミサイルと巡航ミサイルのうち、射程距離が500キロ以上5500キロ以下のものについて保持と試験双方を禁止しています。この条約の発効によって、ヨーロッパ地域に配備された両国の核を搭載できる弾道ミサイルと巡航ミサイルが全廃されるなど、4000発分の核弾頭を装備できるミサイルが廃棄されました。

 しかし、近年アメリカはロシアが条約に違反して中距離核戦力の開発を行っていると非難。さらに、条約でアメリカが中距離核戦力を整備できない間に、中国が核戦力を含む軍事力の強化を行っているとして、国内で不満が高まっていました。

 ロシアは条約違反を否定、違反しているのはアメリカだと反論していますが、トランプ大統領はロシアの条約違反を非難した上で条約からの離脱を表明。これまで条約によって停止していた中距離弾道ミサイルの開発を再開についても示唆しました。

 これは、ロシアのプーチン大統領も中国の習近平国家主席も黙っていないでしょう。ソ連の崩壊で冷戦が終結、平和が訪れるかに見えましたが、やはり現実はそんなに甘くは無かったようです。

欧米で大規模なロシア外交官追放の動き

 アメリカ政府の26日発表によると、同国に駐在中のロシア外交官60人について、国外追放を決定したそうです。

 同時に、ワシントン州シアトルにあるロシア領事館の閉鎖も要求。トランプ政権は2016年、大統領選挙にロシアがサイバー攻撃を使って干渉したことを理由に、35人の外交官を追放していますが、今回はそれを遙かに上回る史上最大規模の制裁です。

 イギリスに亡命中だった元ロシア軍情報機関大佐と、その娘が何者かに毒ガスを使われ、意識不明の重体になっている件での報復措置です。

 カナダも同日、ロシア外交官4人の追放を発表。また、EUも加盟する14カ国が合わせて30人のロシア外交官を追放すると発表しています。

 毒ガスは神経剤の一種と見られ、ロシアが他国に亡命した裏切り者を、化学兵器を使って暗殺しようとした事件です。勿論ロシア政府は関与を一切否定していますが、イギリスでは過去にも亡命中の元KGB局員が放射性物質を使って暗殺された事があります。

 ロシア政府の反発は必至で、追放合戦になって両陣営の緊張が高まることは避けられそうにありません。

韓国特別検察、サムスントップを逮捕

韓国の朴槿恵大統領が民間人を国政に介入させていた問題で、特別検察官チームは17日、サムスン電子副会長の李在鎔容疑者(48)を逮捕しました。

朴槿恵大統領の親友、崔順実被告に機密情報を漏らしたり、国政に介入させていた件です。特別検察官チームは、以前から崔被告と接触していた財閥のトップを調査していました。

李容疑者はサムスングループトップである李健熙の長男で、父親が病気療養のために一線を退いてから事実上トップとなっていました。逮捕容疑は贈賄。系列企業の合併に政府が協力した見返りに、崔被告らに多額の支援を行った疑いが持たれています。

ソウル中央地裁は1月、特別検察官チームの逮捕請求を棄却していましたが、再請求されて逮捕状を発付したものです。

韓国では国民感情に政治や司法が左右されることが多く、最近も日本から盗まれた仏像の所有権について、国際的な常識からは考えられない判決が出ています。今回の逮捕も、一度棄却された逮捕状が発付されるなど、財閥のトップを逮捕しないと収まらない国民感情に裁判所が流されているような感じです。