欧米で大規模なロシア外交官追放の動き

 アメリカ政府の26日発表によると、同国に駐在中のロシア外交官60人について、国外追放を決定したそうです。

 同時に、ワシントン州シアトルにあるロシア領事館の閉鎖も要求。トランプ政権は2016年、大統領選挙にロシアがサイバー攻撃を使って干渉したことを理由に、35人の外交官を追放していますが、今回はそれを遙かに上回る史上最大規模の制裁です。

 イギリスに亡命中だった元ロシア軍情報機関大佐と、その娘が何者かに毒ガスを使われ、意識不明の重体になっている件での報復措置です。

 カナダも同日、ロシア外交官4人の追放を発表。また、EUも加盟する14カ国が合わせて30人のロシア外交官を追放すると発表しています。

 毒ガスは神経剤の一種と見られ、ロシアが他国に亡命した裏切り者を、化学兵器を使って暗殺しようとした事件です。勿論ロシア政府は関与を一切否定していますが、イギリスでは過去にも亡命中の元KGB局員が放射性物質を使って暗殺された事があります。

 ロシア政府の反発は必至で、追放合戦になって両陣営の緊張が高まることは避けられそうにありません。

韓国特別検察、サムスントップを逮捕

韓国の朴槿恵大統領が民間人を国政に介入させていた問題で、特別検察官チームは17日、サムスン電子副会長の李在鎔容疑者(48)を逮捕しました。

朴槿恵大統領の親友、崔順実被告に機密情報を漏らしたり、国政に介入させていた件です。特別検察官チームは、以前から崔被告と接触していた財閥のトップを調査していました。

李容疑者はサムスングループトップである李健熙の長男で、父親が病気療養のために一線を退いてから事実上トップとなっていました。逮捕容疑は贈賄。系列企業の合併に政府が協力した見返りに、崔被告らに多額の支援を行った疑いが持たれています。

ソウル中央地裁は1月、特別検察官チームの逮捕請求を棄却していましたが、再請求されて逮捕状を発付したものです。

韓国では国民感情に政治や司法が左右されることが多く、最近も日本から盗まれた仏像の所有権について、国際的な常識からは考えられない判決が出ています。今回の逮捕も、一度棄却された逮捕状が発付されるなど、財閥のトップを逮捕しないと収まらない国民感情に裁判所が流されているような感じです。

台湾総統選、8年ぶり政権交代

 16日投開票された台湾総統選は、最大野党・民進党の蔡英文主席(59)が与党・国民党候補の朱立倫主席(54)と野党・親民党の宋楚瑜主席(73)を大差で破り、初当選、台湾史上初の女性総統が誕生しました。

 総統というのは台湾の最高権力者、要するに大統領のことです。初の女性総統誕生以上に、独立志向が強い民進党が8年ぶりに政権を奪還した事の方が重要です。過去8年間、国民党の馬英九政権が対中融和路線を進めてきましたが、この政権交代で台湾の政策が変わるかもしれません。

 特に若い世代では「台湾意識」が高まり、2014年春の対中経済協定に反発した学生が議会を占拠するなどし、同年11月の統一地方選では民進党が大躍進しました。とは言え、経済的には中国との関係は重要なので、いきなり独立を宣言するような過激な政策は採らないでしょう。事実、選挙期間中も蔡英文主席は対中政策については「現状維持」を繰り返し、具体的な内容には触れませんでした。